Vol.1 今日も、走る (ハンドサイクリスト 永野明さん)
- カテゴリ:コラム
- 投稿日:2013.09.28
記念すべきSUCCESSコラム第1号は、
2016年にリオデジャネイロで開催される第15回夏季パラリンピック出場を目指している
ハンドサイクリストの永野明さん(38歳)に執筆をいただきました。
永野さんは2008年にSUCCESSが開催した「スマイルリレー」をサポートされるなど、
SUCCESSの啓発事業の発展に貢献をされてきました。
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「おはよう!」
これは毎日の日課である。
ハンドサイクリストの僕は朝のトレーニングでは必ず子どもたちに挨拶します。
僕のハンドサイクルに初めはびっくりするけれど、
何回か挨拶をするにつれて「おはようございます」の声が返ってきます。
この朝のトレーニングの挨拶は2007年ぐらいから。
朝のトレーニングがあるときは必ずやっています。
僕はいま、プロの「ハンドサイクリスト」として生活しています。
(単に毎日ハンドサイクルに乗ってるだけですが。。。)
僕は「走ること」しかできません。
でも「走ること」ができるのです。
自分の出来ることを毎日一生懸命やっています。
自分の出来ることを続けると「自信」になります。自分に出来ることが増えると「嬉しく」なります。
そして、友だちの出来ることが増えるのを見ると、僕は自分のことのように「嬉しい」です。
7月に、病気や障がいの有無を超えて、すべての人が参加できるイベントを行いました。
「もうもうプロジェクト」という、3日間で5万個ドミノ牌を並べるイベント!
手の不自由な障がい者でも、体力が少ない病気の人でも、「ドミノ1個」並べるだけで参加できるイベント。
感性を不安視する人はいたけど、僕は自信があった。
そして、みんなで力を合わせて、
5万個のドミノで1つの絵柄(2020年東京五輪招致実現を願う絵柄)が完成した。
ストレッチャーに乗ったまた参加したある青年は、1個並べては2個目に進んで、自分なりの楽しみ方を見つけていたようでした。
誰もが楽しめて、出来ることが増える場所が、もっといっぱい増えてほしい。
僕は今日も走ります。
ハンドサイクリスト 永野 明
http://naganoakira.jp/
<プロフィール>
1975年6月26日生まれ。19才で上京。
1997年「無敵のハンディキャップ」(北島行徳著)を読んで感化され、
1997年に障害者プロレス団体「ドッグレッグス」に入団。
その後、選手として約4年の活動を経て、 2000年1月に彼の地元でもある福岡を拠点とした
障害者プロレス団体「FORCE」設立。
現在、両団体で選手として活躍、障害者プロレス団体「FORCE」では代表も勤める。
ハンドサイクルとの出会いは2006年。2005年にテレビでハンドサイクルで100km走っている人を見て、
「自分ならもっといける」と3年間トレーニングを積み、2008年10月に東京〜福岡間1200km完走。
以後、様々なチャレンジを経て現在に至る。