Interaction 患者と医療者の協働

“10分”を、よりよくするために 〜患者と医療者の協働が、よりよい診療をつくります~

「診察時間が短い」
「医師の言っていることが解らない」
「理解してもらえているのか不安。うまく気持ちが伝わらない」

不安に思っておられる方が大勢いらっしゃいます。

沢山の患者が待ち続けるなか、医師の診察時間は平均10分。患者にとっても医療者にとっても十分な時間とは言えないかもしれません。

しかし、この10分は、患者がよりよい治療を選択し、医療者がその能力を効果的に発揮するための、極めて重要な時間です。

この時間をより有効なものにしていくため、患者と医療者の双方に心がけていただきたいことをまとめました。

患者が心がけること

診療の前に

  • 診療時に聞きたいことや困っていることを簡潔にまとめて、箇条書きにしておきましょう。
  • 時系列での診療記録や体調の記録は、医療者にとって非常に役に立ちます。受診するまでの症状、熱や食欲、使用した薬の量と残っている薬の量などは記録をしましょう。
  • 薬局で渡される「お薬手帳」を持参しましょう。

診療中・診療後に

  • 医療者の話はメモを取りながら聞きましょう。録音する場合は事前に許可を得ましょう。
  • 外来時に受けた説明が十分に理解できなければ、別途時間をもらえるかどうか確認をしましょう。
  • 気についての情報は、ひとつの情報源や主観のみで判断するのではなく、医療者に細かく確認しながら、正しく理解することを心がけましょう。
  • 医療者の説明や判断に理解が出来ない場合は、遠慮せず、躊躇せず、堂々とセカンドオピニオンを受けましょう。

医療者が心がけること

患者の不安や希望を聞き出して、患者に適切な選択肢を示す

  • 多くの患者は、簡潔かつ適格に身体の具合を説明できるようなトレーニングは積まれていません。医療者の側が配慮をし、患者が不安に思っていること、気がかりなことを聞き出しましょう。
  • 単一の判断を押しつけず、患者が納得して判断できるよう、選択肢を示しましょう。場合によってはセカンドオピニオンを進めましょう。
  • 患者の置かれた状況によっては、医療者の側がリードしなければならないケースもありますが、その際も患者の精神面に十分な配慮をしましょう。
  • 診療後の日常生活への影響についても患者や患者家族に適切な情報を提供・提案し、円滑な復帰・快復をサポートしましょう。