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ごあいさつ

SUCCESS治療開発支援センター」は、SUCCESS活動方針“3つの柱”のひとつ、「治療をつくる」事業として、誕生いたしました。

ここでは、小児がんに対する新しい薬の効能を調べるための「研究者主導型臨床試験」をはじめ、それぞれの小児がんの研究グループと協働して最適な治療法を開発するための「多施設共同臨床試験」への支援を行います。 これは、臨床試験と臨床研究を行う医師・研究者への直接支援を通じて、日々闘病されている患者さんの元へ正確な研究成果をいち早くけるための、大切な活動です。

小児がん治療に有効な薬・治療法を少しでも早く現場に届けたい、そんな思いをこめて、SUCCESS治療開発支援センターは日々活動しています。皆様のご理解と末永いご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

「治療をつくる」ということ

「治療をつくる」とは、具体的にはどういうことなのでしょうか?

現在、小児がんのために使える薬は大変限られています。新しい薬が次々に開発されれば良いのですが、開発から患者さんの元に届くまでの時間や、開発にかかる費用の面から、製薬会社による「治験」が行われることはほとんどありませんでした。このため、実際に市販されている抗がん剤でも、小児がんに対しては適応がないために保険診療で使えない、ということが起こります。現在は、いわば“限られた武器(=薬)のみで、小児がんと闘わなければならない”状態なのです。

この“武器”を増やすための活動が、「研究者主導型臨床試験」であり、「医師主導治験(※)」です。

また、今持っている“武器”が限られたものであっても、使い方を工夫すれば、従来とは違う効果が得られるかもしれません。 そこで、従来の薬の使い方にとらわれず、投与量を変えたり、薬の組み合わせや治療のタイミングを変えたりすることによって、それぞれの小児がんに対する最適な治療法をみつけようとする臨床試験もあります。これは、日本中の医師・研究者で結成された様々な小児がんの研究グループによって、多数の患者さんに参加していただいておこなう「多施設共同臨床試験」という形を取っています。

このような臨床試験の繰り返しが、効果的な「治療をつくる」ことにつながるのです。

※医師の主導により、製薬企業による「治験」と全く同じ精密さで行って、適応の範囲拡大を目指す臨床試験のこと

なぜ「SUCCESS治療開発支援センター」が生まれたのか

「研究者主導型臨床試験」や「医師主導治験」は、製薬会社が主体となって行う「治験」とは異なり、臨床試験の研究計画から、実施・運営・管理、それらにともなう様々な事務作業に至るまでの全てを現場の医師が行います。これらが通常の診療業務に加わるため、医師にかかる負担は非常に大きなものとなってしまいます。

また、「多施設共同臨床試験」を行うには、複数の医療機関に所属する医師達のチームワークを保つための支援活動が重要になります。

このような医療現場の医師の負担を軽減し、かつ、より充実した試験を行えるよう、「治療をつくる」ための支援活動として、2008年10月、「SUCCESS治療開発支援センター」は産声をあげました。

SUCCESS治療開発支援センターがめざすもの

私たちSUCCESSの活動方針の“3つの柱”「ささえる」「つたえる」「治療をつくる」は、ひとつひとつが独立した活動ではなく、それぞれが支え合っています。

「治療をつくる」活動で得られた成果は、論文として専門家によって発表されるにとどまらず、研究に携わった医師を招いて一般の人々にその成果を「つたえる」活動や、小児がんの患者さんたちが直面している問題とからめて患者さんたちを「ささえる」活動につながるなど、さまざまな形で展開していくことができます。逆に、「つたえる」活動や「ささえる」活動でくみ上げた患者さんや家族の方々の思いを、「治療をつくる」活動へ反映させることも 可能となります。

データセンター業務による医療現場への支援活動を通じ、そこで得られた成果をよりわかりやすく伝え、小児がん治療の現状や問題点を一人でも多くの人々に理解していただきたい。そのような活動を、「SUCCESS治療開発支援センター」は目指しています。